「ORIFICE-オリフィス-」の世界観&開発裏話




おかげさまで、iOS版「ORIFICE-オリフィス-」がAppStoreの無料アドベンチャーカテゴリーで59位にランクインしてました(現在は圏外です)。レビューもたくさんいただき、本当にありがとうございます。いただいたレビューを読みながらニヨニヨしてます。

現在、次回作を鋭意製作中です。先の日記では三つくらい案があるみたいなことを書いた気がしますが、ちょいと別の方向性のゲームを考えてます。ただし、テストアプリの出来次第ではお蔵入りするかもしれません。

ちなみに、ORIFICEの続編もストーリーの骨子はほとんど完成しており、ちょこちょこ素材を作ったりしてます。こちらも近いうちにリリースできればと思います。

さて、今回は「ORIFICE-オリフィス-」の世界観(主に神聖エルハベル教会の設定)と開発裏話的なお話をしたいと思います。

昔から頭のなかでこねくり回しているストーリーというか妄想がありまして、「ORIFICE-オリフィス-」はその一部の時代を切り取ったスピンオフ的なノリです。(いつか本筋のストーリーも何らかの形で公開したいなあと思ったりしています)

ちょっと長いですが、最後まで読んでいただけると幸いです。

1.「ORIFICE-オリフィス-」の世界観

□概要
技術・文化レベルはリアル世界の20世紀初頭くらいの欧米をイメージ。工業技術が急速に発展しつつあるものの、まだまだ神話や伝承からは完全に切り離されていない混濁した感じ。
下記で詳しく述べますが、神聖エルハベル教会によって統治されているため、基本的に文化や風俗に大きな地域差はありません。

□神聖エルハベル教
<概要>
世界の政治、経済、軍事、文化・風俗などを牛耳っており、信者数は世界人口の95%を優に超えている。
その他の民族宗教や無宗教者もエルハベル教との衝突を避けるために、それを受け入れている(取り込まれている)。

<組織>
神聖エルハベル教中央教会を頂点に、世界各地の主要都市に地方教会が置かれ、さらに小都市、市町村、集落に教会が設置されている。
中央教会は「聖都」と呼ばれる特別区に存在する。聖都は世界の中心である。
権力は中央教会に集中しており、本作に登場する「典礼局」や「聖典管理局」、その他「聖傘審査委員会」など重要な組織を要し地方教会以下にはその権限は与えられていない。
また、中央教会直下に神聖エルハベル統一政府や軍隊を要している。
教皇と数名の枢機卿からなる枢機卿団がトップに君臨している。

※神聖エルハベル統一政府は政治の実務を行う。教会と同じように、地方ごとに政府機関が置かれピラミッド型の構造を持つ。実務につくのは主に旧来の王侯貴族。また、かつて世界が統一されていないころの国境を元に区分されており、それぞれの長を王と呼ぶ。

<教皇>
年齢は一万歳を超えるとされている。もちろんそんな話は信じられておらず、市民からは「万年教皇」と揶揄されている。

<創世記概要>
はるか昔、万物の長とおごり高ぶった人間に対し神が怒り、「悪意」を地上に降らせた。
生まれながらにして神の声を聴くことができた聖者エルハベルは、神から傘を授かり「悪意」からその身を守るように教えられた。
エルハベルは世界を練り歩き、その傘で正しき者たちを「悪意」から守った。
百億を超えていた人口はそのほとんどが失われ、エルハベルは救世主として残された人類を導いていった。
この救世を境にして「聖傘歴」がはじまり、聖傘歴以前の人間を旧人類、以降を新人類としている。

<エルハベル>
性別や生没年は不詳。
神聖エルハベル教の創始者とされるが、聖典にエルハベルの言葉(教え)は一切残されていない。ただその救世の行動記録のみが残されている。

<悪意>
おごり高ぶった人間(旧人類)に対して神が与えた罰であり、その後の正しき者たち(新人類)への試練とされている。
妖怪、化け物、悪魔、悪霊といった存在だけでなく、疫病や怪我、不作、自然災害、さらには悪態や憎悪、嫉妬など負の行動・感情を総称するものである。
それらはすべて「空」からやってくるとされている。

<聖傘>
教会のシンボル。エルハベルが神から授かったとされる。唯一許された偶像。司祭服の意匠などにも。

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<教義他>
「空」全体を神として崇めている。星々はすべてが神の心体を構成するものである。
そのため、空をみだりに眺めたり、空に近づいたり、空について多く語ることは忌避される。
例えば、音楽、絵画、小説などで空を表現する場合、中央教会聖傘審査委員会の審査が必要となる。不可とされてもなお発表する場合は所定の刑罰が科される。
また、空に近づくような職業(建築業など)についても教会による認可が必要となる。
憲法においても、第一条は空に関するものである。

□その他
・世界は神聖エルハベル教会によって支配されており、独裁ともいうべきものではあるが、空に関する事柄以外についての締め付けは比較的緩く、市民の人権や言論、自由の多くは保証されている(例えば、教皇を万年教皇と揶揄したところで特に処罰されることもない)。治安維持や生活困窮者の保護にも積極的であり、王侯貴族による搾取や汚職などにも厳しく対処することもあって、市民の多くは教会による支配を受け入れている(もちろん、取るに足らない小さな不満はあるが)。
・レジスタンスや異教徒などの反教会組織も存在する。ただし、上記の理由から市民の賛同は得られず、また蜂起したところで、圧倒的な教会の軍事力の前に屈するしかない。
・「悪意」はいわゆるオカルトとして捉えられている。当然、市民の多くはその存在を否定しており、ただ悪いことが起こったりした場合に「悪意が降りてきた」などと表現する程度である。
・『ORIFICE-オリフィス-』における「マウェッタ」のような「悪意」の存在は、市民は当然のこと教会の人間のほとんどにも知らされていない。
・教皇直属に「悪意」に対抗する組織が存在する。この組織は世界各地に派遣され「悪意」を殲滅することが目的。教皇(及び教皇に権限を与えられた枢機卿)のみが動かすことができ、その存在もトップシークレットとなっている。本組織の管掌範囲は「悪意」だけにとどまらず、教会に仇なす者の暗殺や密偵など、教会の裏の仕事を任されている。
・「空」を畏れ敬うため、市民は晴れの日(星々=神の心体がさらけ出されている)を「天気が悪い」と表現し、外出を避ける傾向にある。
・地理的に中央教会(聖都)に近いほど、教義をしっかりと守る傾向にある。例えば『ORIFICE-オリフィス-』の舞台であるナハルのように聖都から遠く離れた地方では、そこまで空を忌避することもない。

 

2.「ORIFICE-オリフィス-」開発裏話

<固有名詞>
今作のキャラクターや町の名前はヘブライ語から取っています。ヘブライ語を選んだ理由は特にありません。なんかかっこいいかなって。

日本語訳は以下のとおりです。一応、日本語にしてもイメージが合うように選んでみた感じです。
シャハル ⇒ 夜明け
エラ ⇒ 女神
ミシュマル ⇒ お守り
マイム ⇒ 水
ショコラダ ⇒ チョコレート
ナハル ⇒ 川
マウェッタ ⇒ 死

<タイトル名の変遷>
なんか洋館でお化けが出てくるゲームにしよ! みたいなノリではじめた今作の制作。
最初のタイトル名は「呪いの館」でした(今でもプロジェクト名はnoroinoyakataです)。もちろん、そのまま採用するつもりはありませんでした。

で、ある程度ゲームが出来上がった段階でタイトル画面を作成するに当たって考えた案が「レクイエムをもう一度」でした。

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このタイトルで引き続き制作を続けていたのですが、なんだかしっくりとこないなーと。タイトル名がありがちでインパクトがない。タイトル画像もなんか間延びしてデザインしにくいし、雰囲気と合わない。
というわけで、デザインしやすいように一単語にしようと思い立ち、作中からワードを拾って「ORIFICE-オリフィス-」としました。フォントもいろいろと試行錯誤して、今のものに落ち着きました。ホラー感が出ていれば幸いです。
↑のタイトル案の背景にある女性の横顔は意外と気に入ったので、アプリアイコンに流用してます。
ちなみに、オリフィスってのは作中で語られている物以外だと、工業用語だったり物理用語だったりする(というかそっちのほうが有名みたいです)ので、検索すると難しいお話がたくさん出てきます。ダムとかエンジンとか。

<ショコラダについて>
作中で使用しているキャラクターの顔グラフィックはこんな感じでまとめてあります。

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お気づきだろうか。

そう、ショコラダの初期デザインはこんな感じでした(一番下)。
これじゃあ、あんまりだと。ブサイクじゃなくてブサカワイイんだよ、と。
そんなわけで、描き直して描き直して、今のデザインに落ち着いた感じです。が……、まだちょっと納得いってません。
ちなみに、3Dモデルは初期デザインのままです。顔とかアップにされると困ります。

以上です。他にもいろいろと書きたいことはあったのですが、なんだか開発裏話というか言い訳染みてきたので省略ということで。
それでは。




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