ボトルアクアリウム―アカヒレの産卵―

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10日ほど前からボトルアクアリウムをはじめてました。

数年前、本格的にアクアリウムに興じていたのですが、仕事が忙しくなって面倒を見られなくなり泣く泣くアクアショップに引き取ってもらった時以来になります。

再開のきっかけですが、私の知り合いがコッピー(正確にはアカヒレといいます)なるものを見つけ衝動買いしたはいいものの、暑さが厳しくなってきたあたりで弱ってしまい扱いに困っていたので引き取ることにした感じです。

しかし、水槽もアクア関連の機材も持ち合わせていません。
というわけで、前から興味があったボトルアクアリウム(バランスドアクアリウム)に挑戦してみることにしました。

 

<環境など>
・梅酒ビン(4リットル)
・エサ(ひかりプチ)
・底土として、田砂(底物の熱帯魚が好きだったことと、水草にはそこまで興味がなかったのでソイルよりも田砂派です)
・カルキ抜き、水温計、ちっちゃいネット、念のためのプラケース、水換え用のホース、小石、鉢底ネット、木綿糸、はさみ
↑を近場のホームセンターと100円ショップで集めました。

 

<生体・水草>
・アカヒレ(引き取った1匹(3cm強くらい)+購入したアカヒレ5匹(1~2cmくらい)
・石巻貝2匹
・アヌビアス・ナナ(すでに流木に活着済みのもの。アク抜きが面倒なので)
・ウィローモス
・アナカリス
↑こっちは適当なアクアリウムショップにて購入。流木+アヌビアス・ナナが結構いいお値段;;

 

さてバランスドアクアリウムとは何ぞやというと、水槽(この場合は瓶ですが)単体でひとつの生態系を成り立たせてしまおうというものです。

いわゆる普通のアクアリウムには、酸素を供給する装置(ブクブク、エアレーション)や、水をろ過して汚れを取るフィルターなんかが付属していると思いますが、バランスドアクアリウムはそういった装置を一切使わずに、自然に任せるのです。私の場合は、エサもやりますし水換えも行いますが、本来の意味では、蒸発した水分を足す以外には一切手を加えないくらいのものだそうです。ようは放置プレイです。

装置がいらないということで私のようなものぐさ人間にも手軽にはじめることはできるのですが、維持をする点が通常のアクアリウムよりもめちゃくちゃ難しいです(私もほぼはじめてなので、「難しい”はず”です」といったほうがいいかも)。

というのも、魚が出すフンや、食べ残したエサはアンモニアという猛毒に変化します。通常、フィルターでアンモニアを除去するのですが、バランスドアクアリウムでは、自然=バクテリアによる分解に頼ります。また、ブクブクがないので酸素は水草の光合成頼りです。夜間には、水草は光合成を止めて逆に呼吸をするので、酸欠状態になりやすいです。さらに、わざわざライトを用意することも少ないためそもそも光合成が不足がちだったり水草が枯れることも。極めつけは、瓶は水量がかなり少ないので、魚にとって致命傷になりやすい水温の急激な変化が起こりやすくなります。
バランスドアクアリウムは、バクテリア、魚、水草、水量、水温といった目に見えにくい要素を、その名の通りバランスよく成立させる必要があります。

ただし、飼う生体(魚やエビなどの生き物)や水草の、種類(と量)の選択によってはだいぶ難易度が下がります。というよりも、バランスドアクアリウムで飼うことができる生体はかなり限られているといった方がいいかもしれません。

バランスドアクアリムで代表的な熱帯魚がタイトルにもあるアカヒレです。アカヒレは熱帯魚(正確には温帯魚ですが)の中で一番丈夫だと言われています。”コップでも飼うことができる”というわけで、コッピーという商品名で売られるくらいには丈夫です。その他、アカヒレの別種やメダカ、ヒーターありならベタなんかもバランスドアクアリウムには向いていますが、アカヒレと比べるとデリケートです。
ただその丈夫なアカヒレも、水温の急激な変化には比較的弱いので、それこそコップ程度の水量だとちょっとエアコンを消したとか、ちょっと日光に当たったとかで急激に水温が上下して死んでしまいます。(あくまで急激な変化に弱いだけで、日本の冬、夏を装置なしで耐えぬくことが比較的可能です)

必要な水の量ですが、インターネット情報だと水1リットルにつきアカヒレ1匹、水1リットルにつき体長1cm、水500mlにたいしてアカヒレ1匹など、結構ばらつきがあります。そこは経験則ということでしょうが、とにかく、水の量は多ければ多いほど安定します(水換えや掃除の頻度も下げられるので管理も楽です)。

ちなみに、ボトルアクアリウムだとエビ系も人気のようです。苔を食べてくれるので、ボトル内に安定して苔が生えるようになれば餌やりもいりません(アカヒレの場合、エサはほぼ必須です)。
ただ、個人的にエビは水質の変化に弱いイメージがあるので今回は見送りました。ガラス面のコケ取りは石巻貝にお願いするとして、水草の周囲に苔が増えてきたら導入しようかなあという感じです。

次に水草ですが、ネット上だとボトルアクアリウムにはアヌビアス・ナナ+ウィローモスの組み合わせが定石のようです。この2つ、陰性といって光量がそこまで必要ありませんし、かなり丈夫で枯らすのが難しいくらいなので、ボトル向きなのだと思います。
私は、この二種類にプラスしてアナカリスという水草も一緒に入れてます。安い、丈夫、生長が早い、水が綺麗になると、個人的に大好きな水草です。上手く行けば、可愛らしい花も咲かせてくれます。節でちぎっても両方共成長していくほど丈夫です。入れた日からじゃんじゃん成長を続けているため、すでにカットして一部をプラケースに移してます。
水草が多ければ酸素供給も多くなり水質も安定するはずですが、逆に夜間は酸欠状態になっている可能性があります。様子を見つつ、アナカリスは減らすかもしれません。
アヌビアス・ナナは流木や石なんかに根っこを這わせて(活着といいます)育てます。すでに流木に活着しているものを選びました。値ははりますが、流木のアク抜きは面倒なのです……。
ウィローモスは苔の一種です。こいつも石とか流木に活着させることが多いです。個人的に、ウィローモスの絨毯が好きなので鉢底ネットに活着させています。今はまだネットが丸見えですが、うまく成長してくれればネットを覆い隠して緑の絨毯になってくれるはずです。

ちなみに、光量は少なくても大丈夫とはいえ、やはり光があったほうが色鮮やかに生長するので、読書灯で照らしたりしてます。

最後に、ボトルのことについて。インターネットでボトルアクアリウムを検索するとオシャレなボトルがたくさん出てきます。なるほど、とても綺麗でインテリアに良さそうですが、生き物を飼うことがメインの場合、よく考えてから選択したほうが良さそうです。個人的には以下の様な物が良いかと。
・できるだけ水量が多いこと。ただしボトルアクアリウムの利点である持ち運びできることを考慮した上で、5リットルくらいがいいのでは。
・丸みを帯びていないこと。丸みがあると、水槽内が歪んで見えます。観察には少々向いていません(私が選択した梅酒ビンは丸いので歪みます><)
・水面ができるだけ広いこと。水面(=空気との接触面)の広さも酸素供給に影響します。例えばペットボトルや酒瓶のように口が狭いものは不向きです(メンテナンスも難しいですし)。

というわけで、ベストなものは直方体(立方体)のいわゆる普通の水槽だったりするのですが、蓋を閉めたり持ち運べるボトル形状だとすると梅酒ビンがオススメです。安いですし。
とはいえ、おしゃれな瓶でも不可能ではありません。せっかくのボトルアクアリウムなのでそちらを追求するのもありかと思います。

 

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そんな感じで、最初は弱ってたアカヒレ(引き取った子)も元気になり、縄張り争いもそれなりに落ち着いたのでせっかくだから記事にしてみようと思った次第です。

で、もしゃもしゃ伸び放題のアナカリスをどかしつつ写真を撮っていたのですが、なんとそのタイミングで交尾行動(お腹の大きいメスを追いかけるようにしてオスがまとわり付く)を発見しました!

写真を少し拡大すると見えると思いますが、半透明の球体が散らばっているのが見えるでしょうか。これがアカヒレの卵です。
目視しにくいのですが、たまたま光の関係で写ってますね。

……ただ、かたっぱしからパクパク食べられてます;;
うまくいけば、ネットの間なんかに挟まった卵が孵化してくれるかもしれません。

とにかく、産卵するくらいには安定しているということで一安心です。

それでは。




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