好きな作品紹介その1:VOICE(小説)





こんにちは。

そろそろサイトのコンテンツを増やしていきたいなあということで、まずはブログの一カテゴリーとして”私の好きな物語の紹介”みたいなことを不定期で連載してみようかなと思い立ちました。

内容としては、今まで私が触れてきた物語(小説、漫画、映画、ゲーム、アニメなどなど)から、好きな作品をピックアップして語ってみる感じです。批評とまではいかない程度のゆるい感じでやっていきたいなあと思っています。

私のゲームアプリ(特にストーリー面)を少しでもいいなと思ってくれた方ならば、きっと気に入っていただける物語を選んでいくつもりですので、ぜひみなさんも触れてみてください!

 

前置きが長くなりましたが、さっそく紹介へ。

第一回目は、市川拓司さんの『VOICE』という小説です。

ページ数が少なく、文章も平易で読みやすいので第一回目に選んでみました。普段小説を読まない方にも(というか、普段読まない方にこそ)オススメです。

市川拓司さんといえば、映画やドラマにもなった『今、会いにゆきます』で有名な作家です。『VOICE』は市川拓司さんのデビュー作(初出はネット小説)で、ご本人曰く、「以降の作品のモチーフがすでにここにある」という作品です。私は、図書館に行ってはタイトルや表紙だけで小説をランダムに選んで大量に借りて行く……みたいなことをたまにしているのですが、この小説とも、そんな形で出逢いました。

高校生の主人公が、突然、隣のクラスの少女の心の声を聴いてしまう。その日から、少女の心の声は時間や場所の区別なく主人公に届き続ける。ある日、森のなかで偶然出会った二人はお互いの境遇を話し、それをきっかけにして惹かれ合っていく。二人だけの穏やかな日々は過ぎ去り、浪人生として町に残ることになった主人公と東京の女子大に進学した少女。東京に行っても、少女の主人公を想う心の声はいまだに主人公に届き続ける。しかし、東京での新しい出会いは少女の世界を徐々に広げていくことになる。主人公は、絶え間なく届く少女の心の声を聞きながら、次第に変わっていく少女と、なすすべのない自分に思い悩んでいく……そんなストーリーです。

周りからの孤立感、理由のない焦燥感、不器用さ、そんな人としての不完全性をお互いに見出し、その類似性ゆえに惹かれ合う二人。たった二人だけで完結していた世界から飛び出していく少女の不安さ。変わっていく少女に対する主人公の焦り。お互いの気持は変わらないのに、それでも変異していく世界。そして気がつけば取り返しがつかなくなってしまう。

語り口はさらっとしていて、詩的な表現の多い小説ですが、とにかくせつない作品です。特に中盤からクライマックスに掛けては、心臓を握りつぶされるような痛みをおぼえます。主人公の言動や行動をもどかしく思うこともありますが、それも主人公の境遇や青年期特有の悩みとして共感出来る部分でしょう。

ある意味読み進めていくのが辛い作品ではありますが、せつない恋愛物が好きな方はもちろん、「現実世界のお話なのにちょっと不思議な出来事が起こる」ようなファンタジーものが好きといった方にもオススメです。




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